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    <title>メルヘン小窓</title>
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    <description>メルヘン小説【グリモン】の更新をメインに、ほのぼの書き綴っていきます。</description>
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    <title>まとめページ</title>
    <description>グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の80話までです。グリモンのまとめページへは→こちら。フレームいやんな方は→こちらで。よろしかったらどうぞー。



拍手ありがとうございます。とっても励みになってます！
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<content:encoded><![CDATA[
グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の80話までです。グリモンのまとめページへは→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/green_menu.html" target="_top">こちら</a>。フレームいやんな方は→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/menu2.html" target="_top">こちら</a>で。よろしかったらどうぞー。<br />
<br />
<br />
<br />
拍手ありがとうございます。とっても励みになってます！<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>更新情報</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-26T23:05:28+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
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  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=827698">
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    <title>グリモン 火昇島編　80</title>
    <description>青い空の上を、気取った魔法使いが呑気にプカリプカリと浮いていました。頭の後ろで指を組み、寝そべるような格好で空に浮いているのです。

シャロウは空を見上げ、げっそりした顔でため息をつきました。もう三日もまともなものを食べていません。空を飛ぶ船の食料庫の...</description>
<content:encoded><![CDATA[
青い空の上を、気取った魔法使いが呑気にプカリプカリと浮いていました。頭の後ろで指を組み、寝そべるような格好で空に浮いているのです。<br />
<br />
シャロウは空を見上げ、げっそりした顔でため息をつきました。もう三日もまともなものを食べていません。空を飛ぶ船の食料庫の鍵を、気取った魔法使いに取り上げられたのです。<br />
<br />
鍵だけならこじ開ければいいのですが、気取った魔法使いは魔法までかけて、シャロウを食料庫に近付けないようにしたのです。<br />
<br />
こんなことになったのも、あの夜の会話をしっかり聞かれていたせいです。朝、気取った魔法使いに「御影という女は役に立ちそうですか？」と聞かれ、シャロウはうるさそうにその質問を退けました。<br />
<br />
それがいけませんでした。<br />
<br />
シャロウは鬼というモンスターを一向に封じる気配もなく、島の珍しいものを集める様子もなく、自分は山に入ることもできず、島での生活も馴染めない、気取った魔法使いは頭から湯気でも噴き上げそうなほど怒ったのです。<br />
<br />
『そもそも、鬼というモンスターを封印するために戻ってきたはずなのに、あなたは何故エバーエバーを持っていないのですか』<br />
<br />
腹を立てた気取った魔法使いにそんな風に問い詰められ、シャロウは喉の奥でグウと唸りました。姫様モンスターの封印が解かれたとき、エバーエバーを持っていないことがばれてしまったのです。<br />
<br />
まさか最初からそんな気はなかったと言うわけにもいかず、シャロウは『ついうっかり忘れた』と答えたのです。<br />
<br />
それもまた、いけませんでした。<br />
<br />
『つい、うっかり？　島の人たちへのお土産はあれほどたくさん持って来ていて、何故もっとも大切だと思われるエバーエバーを忘れるようなことが起こるのですか！』<br />
<br />
そうして、気取った魔法使いはシャロウを懲らしめるために食料庫の鍵を取り上げ、食料庫の周囲に魔法をかけてシャロウを近付けないようにしたのです。<br />
<br />
親切な島の人たちに多少は食べるものをわけてもらっていましたが、それもそろそろ限界です。なんと言っても、清太の家に行けば姫様モンスターが気の立った猫のように毛を逆立てて怒るのですから、なかなか近寄れません。<br />
<br />
「なあ、おい、分かった分かったよ。今からあるところに行くから付いて来い」<br />
<br />
シャロウは空の上に浮いている魔法使いに、大声で言いました。気取った魔法使いがニヤリと笑ったのは、言うまでもありません。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-25T22:26:16+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=826555">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=826555</link>
    <title>グリモン 火昇島編　79</title>
    <description>「なあ、ちょっと冷静になって考えてみろよ。この俺が恋だって？　そんなしおらしい男に見えるか？　あの化け物はお前を動揺させようとして、そんなことを言ったんじゃないのか」

「なぜ」
「な、何故って、そんなこと俺が知るわけないだろ」

言った途端ギロリと睨...</description>
<content:encoded><![CDATA[
「なあ、ちょっと冷静になって考えてみろよ。この俺が恋だって？　そんなしおらしい男に見えるか？　あの化け物はお前を動揺させようとして、そんなことを言ったんじゃないのか」<br />
<br />
「なぜ」<br />
「な、何故って、そんなこと俺が知るわけないだろ」<br />
<br />
言った途端ギロリと睨まれ、あげく喉元の手に力を込められ、シャロウは「分かった、分かったよ」と慌てて言いました。<br />
<br />
「つまり、離間工作だ、離間工作。お前とあの御影とかいう女を離そうとしているんだ。お前を疑心暗鬼に陥れて」<br />
<br />
「何故そんなことをする」<br />
<br />
「そりゃ、お前と御影って女、両方が目障りだからだろ。山では常に行動を共にして、お前は身を挺してまであの女を守って……」<br />
<br />
シャロウは思いつくことを思いつくままに言っていました。そうやって頭を働かせていたせいかもしれません。不意に、ある考えがどこからともなく、シャロウの頭の中に落っこちてきました。<br />
<br />
「……お前、御影って女が好きなのか？」<br />
<br />
守衛は一瞬、息を呑んだようでした。それはシャロウの言葉があまりに気持ちとかけ離れたものだったせいなのか、それとも正鵠を射ていたのか、シャロウには分かりません。守衛の表情に変化がなかったせいです。<br />
<br />
無言の時が流れました。<br />
<br />
雲が何度か月を覆い隠し、室内を本物の闇のように暗くしました。不意に守衛の手が、急に力を失ったようにシャロウの喉元から離れました。<br />
<br />
その闇の中で、守衛は静かに言いました。<br />
<br />
「どんな想いが胸を焼こうと――山は穢すな」<br />
<br />
きっぱりとした声でした。少しの揺らぎもありません。夜中に空を飛ぶ船に忍び込んでまで、ツクモの言葉の真意を確かめようとした理由が、その瞬間、シャロウにも分かりました。<br />
<br />
だからこそ、シャロウは叫ばずにはいられませんでした。<br />
<br />
「俺は恋なんかしていない。いいか、してないったらしてないんだからな！」<br />
<br />
ムキになったようなシャロウの声に、守衛は何の反応も見せませんでした。守衛は無言のまま仮面を拾い上げ、入ってきた時と同じく音もなく出て行きました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-24T22:25:42+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=824133">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=824133</link>
    <title>グリモン 火昇島編　78</title>
    <description>その日の夜のことです。

シャロウが空を飛ぶ船で眠っていると、不意に人の影が室内に滑り込んできました。足音もないその人影に、けれどもシャロウはまるで予期していたかのように、ムクリと起き上がりました。

「来ると思ったぜ」
「……あれは本当のことか」

声...</description>
<content:encoded><![CDATA[
その日の夜のことです。<br />
<br />
シャロウが空を飛ぶ船で眠っていると、不意に人の影が室内に滑り込んできました。足音もないその人影に、けれどもシャロウはまるで予期していたかのように、ムクリと起き上がりました。<br />
<br />
「来ると思ったぜ」<br />
「……あれは本当のことか」<br />
<br />
声は威圧的にシャロウに詰め寄ります。<br />
<br />
シャロウが答えずにいると、声は「無言というのは肯定と受け取っていいんだな」と鋭く問い詰めました。丸い明り取り窓から差し込む月明かりに、仮面のレンズが冷たく光っています。<br />
<br />
「ここにいていいのか？　見張りはいいのか？」<br />
「こちらの質問に答えろ」<br />
<br />
守衛は仮面を外し、シャロウを睨み付けました。仮面を外すと、少年と見間違えてしまいそうです。猫のような丸みを帯びた瞳に、引き結ばれた唇。<br />
<br />
月明かりに照らされた守衛は、年齢不詳の分だけ、どこか背筋を冷たくさせるほどの凄みがありました。<br />
<br />
「今なら、お前が血を吸って生きていると聞いても驚かないな」<br />
<br />
ふざけてそんなことを言ったシャロウを、守衛はギロリと睨み付けました。一気に距離を縮めると、シャロウの喉元に手をかけました。音もなく、あっという間のことです。<br />
<br />
喉に両手をかけられ、シャロウは顔を歪めました。守衛の手に、まだそれほど力は入っていません。けれども、間近で見る守衛の瞳は冷たく光っていて、冗談ではないことを如実に表していました。<br />
<br />
「ツクモは、お前が恋をしていると言った。ツクモは人に打ち捨てられて変化しただけあって、人の心には敏感だ」<br />
<br />
「間違うこともあるだろ」<br />
<br />
シャロウはざわつく心を沈めて、なんとか平静を装いました。この空を飛ぶ船にいるのは、シャロウだけではありません。他に、気取った魔法使いがいるのです。<br />
<br />
もしもシャロウが御影に恋をしていると、あの気取った魔法使いに知られたら、きっと利用してくるに違いありません。シャロウは必死で頭を働かせ、なんとか誤魔化そうとしました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-22T22:42:05+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=821298">
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    <title>グリモン 火昇島編　77</title>
    <description>ツクモが見えなくなった途端に、霧は晴れていきました。

白い霧に消えていったと思った御影は、泉の中から顔を出していました。シャロウが一瞬見た、舞い踊る御影の向こう側に見えた鈍く光るもの、それは泉だったのです。

泉から上がろうとする御影にシャロウが手を...</description>
<content:encoded><![CDATA[
ツクモが見えなくなった途端に、霧は晴れていきました。<br />
<br />
白い霧に消えていったと思った御影は、泉の中から顔を出していました。シャロウが一瞬見た、舞い踊る御影の向こう側に見えた鈍く光るもの、それは泉だったのです。<br />
<br />
泉から上がろうとする御影にシャロウが手を差し出そうとすると、御影は首を横に振って断りました。<br />
<br />
「触れることはならん。本殿に上がれなくなっては困る」<br />
<br />
そのきっぱりとした物言いに、シャロウはどこかホッとしている自分に気付きました。なにか事情があって手を引っ込めたのであって、自分を嫌って手を引っ込めたわけじゃないと思ったのです。<br />
<br />
御影は泉から上がると、濡れた服の裾をギュッと絞りました。裾からボトボトと滴り落ちる水滴と同じように、御影の唇から独り言のような言葉がこぼれ落ちていきました。<br />
<br />
「ツクモは人形師に打ち捨てられた人形が、長い年月を経て変化（へんげ）したものじゃ。あれらは人のものを欲しがり、本物の人間になろうとする。私の妹、かなたは声を奪われた。私が、この山にかなたを連れ出した日のことじゃ。なんとしても、取り返さねばならん。なんとしても」<br />
<br />
裾を絞る御影の腕は、細かく震えていました。寒いせいではありません。悔しいのです。<br />
<br />
シャロウは声をかけたくても、どうすることもできません。声を出すことを禁じられて、ただ悔しさに身を震わせる御影を見つめることしかできません。<br />
<br />
けれどこのままでは胸がモヤモヤとして息が苦しいのです。胸の中で膨らんでいく気持ちをどうすることもできず、シャロウは地面に大きな文字を書きました。<br />
<br />
『おれはこのやまにそらをとぶじゅうたんをさがしている。みつかったらのせてやる』<br />
<br />
地面に指で彫るように書かれたその文字を読んだ御影は、ふっと表情を緩めました。そうして――<br />
<br />
「なんと下手な字じゃの」<br />
<br />
と、クスッと小さく笑ったのです。御影は続けて「それに、このやま”に”ではなく、このやま”で”が正しい」と指摘します。<br />
<br />
確かに、シャロウの書いた文字は不ぞろいで、文字の向きが反対になっているものもありました。シャロウは急に恥ずかしくなって、手で乱暴に書いた文字を消してしまいました。<br />
<br />
御影はクルリと踵を返して歩いていきます。けれども途中で振り返りました。シャロウと目が合うと、かすかに微笑んで言います。<br />
<br />
「楽しみにしている」<br />
<br />
それが何を意味しているのか、シャロウにはすぐに分かりました。声を出すことを禁じられていなければ、大声で叫んでしまいそうでした。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-19T23:14:02+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=820234">
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    <title>グリモン 火昇島編　76</title>
    <description>御影の細い腕が、白い霧を切り裂くように動きます。御影が舞うと一瞬だけ霧が薄くなり、向こうの景色が見えます。

ほんの一瞬、シャロウは御影の向こう側になにか鈍く光るものを見たような気がしました。けれどそれは本当に一瞬のことで、すぐに白い霧が覆い隠してしま...</description>
<content:encoded><![CDATA[
御影の細い腕が、白い霧を切り裂くように動きます。御影が舞うと一瞬だけ霧が薄くなり、向こうの景色が見えます。<br />
<br />
ほんの一瞬、シャロウは御影の向こう側になにか鈍く光るものを見たような気がしました。けれどそれは本当に一瞬のことで、すぐに白い霧が覆い隠してしまいました。<br />
<br />
チリリン、シャラン。御影はただ舞い踊っているだけではありません。ツクモとの間合いを計り、鈴のついた短い棒を突き出しているのです。<br />
<br />
それに対してツクモはピクリとも動きません。鈴のついた短い棒で突かれても、ヨロリと一歩後退するだけです。<br />
<br />
御影の舞で、ぼんやりしてしまったのでしょうか。いいえ、どうもそうではないようです。シャロウの隣にいた守衛が、肩をピクッとさせました。ほぼそれと同時のことでした。<br />
<br />
ツクモは、カタカタという奇妙な音を立てて、口を開けました。それがとんでもなく大きく開くのです。あごが裂けて、頭のてっぺんが背中についてしまうくらいでした。<br />
<br />
そして、あらわになった喉の奥から、何か黒い塊が飛び出していきます。何個も、何個も、です。<br />
<br />
それらはまっすぐ御影に向かっていきます――！<br />
<br />
守衛は驚くほどの俊敏さで御影の前に回りこみ、その黒い塊を手で払い落とします。けれども、それはどんどん数が増え、飛んでくるスピードもどんどん早くなるのです。<br />
<br />
そして黒い塊のひとつが、守衛の胸元に当たりました。それはドンという音を立てて弾け、守衛の身体をものすごく遠くまで吹き飛ばしてしまいました。シャロウは、国で見た魔法のかけられた砲丸のことを思い出しました。<br />
<br />
守衛を吹き飛ばした後も、黒い塊はツクモの喉から飛び出していきます。御影は軽い身のこなしで黒い塊を避けていました。けれども、不意にズルリと足がすべりました。そのまま身体が傾いていきます。<br />
<br />
シャロウは咄嗟に走り出し、御影の腕を掴もうとしました。触れ合いそうな手を、けれども御影はハッとしたように引っ込めてしまいました。<br />
<br />
そしてそのまま、御影は白い霧に飲まれるように姿を消します。すぐ後に、バシャンという水の音が聞こえました。<br />
<br />
シャロウは、どうして御影が手を引っ込められたのか分からず、御影の消えてしまった白い霧を見つめます。何故なのか、妙に心が傷ついていました。<br />
<br />
背後から、ケケケという笑い声が聞こえたのはその時です。<br />
<br />
「分かった、分かったぞ。お前のその瞳が美しい理由……お前は恋をしておるのだな」<br />
<br />
ケケケケという笑い声を残して、ツクモはシャロウから遠ざかっていきます。もっともっと恋焦がれてもっと美しい瞳にしろ――と、奇妙な言葉を言い置いて。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-18T22:12:44+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=813007">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=813007</link>
    <title>まとめページ</title>
    <description>グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の75話までです。グリモンのまとめページへは→こちら。フレームいやんな方は→こちらで。よろしかったらどうぞー。



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　</description>
<content:encoded><![CDATA[
グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の75話までです。グリモンのまとめページへは→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/green_menu.html" target="_top">こちら</a>。フレームいやんな方は→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/menu2.html" target="_top">こちら</a>で。よろしかったらどうぞー。<br />
<br />
<br />
<br />
拍手ありがとうございます。とっても励みになってます！<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>更新情報</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-11T21:35:03+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=811953">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=811953</link>
    <title>グリモン 火昇島編　75</title>
    <description>分が悪いのはシャロウの方でした。

なにせ、噛み付いてくる頭に気をとられていると、よろりよろりと歩いてくる胴体に捕まりそうになりますし、胴体に気をとられていると、頭が大口を開けてガブリと噛み付いてくるのです。

まるでひとりでふたりを相手にしているよう...</description>
<content:encoded><![CDATA[
分が悪いのはシャロウの方でした。<br />
<br />
なにせ、噛み付いてくる頭に気をとられていると、よろりよろりと歩いてくる胴体に捕まりそうになりますし、胴体に気をとられていると、頭が大口を開けてガブリと噛み付いてくるのです。<br />
<br />
まるでひとりでふたりを相手にしているようです。<br />
<br />
なにより足場の悪い山の中です。シャロウは木の根に足をとられ、相手の頭もろとも倒れこんでしまいました。その隙を逃すまいと、胴体が腕を伸ばしてきます。<br />
<br />
捕まったらおしまいです。<br />
<br />
シャロウが「くそっ！」という悪い言葉を飲み込んだ瞬間――シャランという音がして、目の前で長い髪が揺れました。それはシャロウと人でないものの胴体の間に入り込み、不思議な体勢を取って止まります。<br />
<br />
御影でした。<br />
<br />
右腕を顔の上に、左手を胸の位置に、両手にはあの鈴のついた短い棒を持っています。舞踊の姿勢のようでもあり、今にも殴りかからんとするような格好にも見えます。<br />
<br />
ポカンとしているシャロウを、守衛が引っ張りました。<br />
<br />
シャロウが気をとられている間に、喉元に食いつこうとしていた人でないものの頭を、一瞬にして守衛が叩き落してしまっていたのですが、シャロウは気付きません。目は御影に釘付けです。<br />
<br />
「ツクモ、ここで逢ったが百年目！」<br />
「ほう、ほう、お前からは欲しいものなぞない」<br />
<br />
「その声で喋るでない！　それはお前の声ではない、かなたの声を返せ！」<br />
<br />
御影は炎のような瞳を、ツクモと呼んだ人でないものに向けました。そして、あの鈴のついた短い棒を振り回します。あたりに、チリリン、シャランという音が、いつもより激しく高く、鳴り響きます。<br />
<br />
ツクモは地面に落ちていた頭を呼び寄せると、それを元通りに肩の上に乗せ、口元だけでニヤリと笑いました。御影の舞を嫌がっているようでもありません。それどころか、どこか楽しんでいるようなのです。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-10T22:26:58+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=810184">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=810184</link>
    <title>グリモン 火昇島編　74</title>
    <description>不思議な音は、離れたり、遠ざかったり、なにか反響しているようにあっちこっちから聞こえてきます。

あたりには真っ白い霧が立ち込めています。まるですべてのものが実体をなくしてしまったように、おぼろに見えるだけです。ここは本当に山の中なのか、不安になってく...</description>
<content:encoded><![CDATA[
不思議な音は、離れたり、遠ざかったり、なにか反響しているようにあっちこっちから聞こえてきます。<br />
<br />
あたりには真っ白い霧が立ち込めています。まるですべてのものが実体をなくしてしまったように、おぼろに見えるだけです。ここは本当に山の中なのか、不安になってくるくらいです。<br />
<br />
シャロウはぶるりと肩を震わせました。急に気温が下がったように感じたのです。木の幹に手をついて、このどこか異様な、真っ白い霧の雰囲気に呑まれまいと、静かに息を吐き出しました。<br />
<br />
すると、その瞬間のことです――<br />
<br />
木の枝がザザッとお辞儀をするように大きくしなったかと思うと、シャロウの目の前に奇妙な服を着た青年が現れました。いいえ、青年に見えるだけで、シャロウはそれが人ではないことに気付いていました。<br />
<br />
相手は、「ほう、ほう」という奇妙な、けれどとびきり美しい声を出して、シャロウの方に顔を向けました。その顔は青白く、瞳は閉じられています。けれども、相手はおかしなことを言うのです。<br />
<br />
「きれいな瞳を持っている。見たこともない瞳の色じゃ」<br />
<br />
目を閉じているのにどうして見えるのでしょう。シャロウが不思議に思った瞬間です。閉じられていた瞳がクワッと見開かれました。けれども、なんと、そこには暗い穴が開いているだけです。<br />
<br />
「その瞳、わしにくれ。取り上げてやろう！」<br />
<br />
ヒヒヒヒという不気味な声を上げて、その人ではないものがシャロウに襲い掛かってきました。<br />
<br />
シャロウは思わず「やれるものならやってみろ」と叫びそうになって、慌てて口に手をあてて我慢しました。山の中では声を出すなという約束なのです。<br />
<br />
襲い掛かってきた人でないものを、シャロウは思い切り蹴飛ばしました。<br />
<br />
相手は木の幹に背中をぶつけ、その拍子に、まるで饅頭でも落とすみたいにボトリと、頭を落としてしまいました。さっきまで肩の上にあった、頭です。<br />
<br />
そしてその頭を、今度はシャロウに投げつけてくるではありませんか！<br />
<br />
シャロウは「ギャッ」と叫びそうになるのをこらえて、自分の喉元に噛み付いてこようとする頭を引き剥がそうと格闘しました。<br />
<br />
その間、その頭はとびきり美しい声で「ほう、ほう」と笑うのです。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-08T22:14:06+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=806618">
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    <title>グリモン 火昇島編　73</title>
    <description>次の日、シャロウは守衛と共に山の中にいました。姫様モンスターのことを御影に伝えているのです。シャロウの書く文字を守衛が読み、すべてを聞き終わると、御影はフムと一言唸ってから言いました。

「子どもは人と魔の中間におるからな、封印など、無意味なことだろう...</description>
<content:encoded><![CDATA[
次の日、シャロウは守衛と共に山の中にいました。姫様モンスターのことを御影に伝えているのです。シャロウの書く文字を守衛が読み、すべてを聞き終わると、御影はフムと一言唸ってから言いました。<br />
<br />
「子どもは人と魔の中間におるからな、封印など、無意味なことだろうて。さりとて、開いたことにまったく意味がないということもなかろう。あれは清太が開けるべきものであったのだろうな」<br />
<br />
「……しかし、モンスターは人の命を吸い取るものだから危険だと、この者は申しております」<br />
<br />
守衛がシャロウの書いた文字を読むと、御影はフフと笑いました。視線は山のずっと奥、なにかを見通すような瞳をしています。<br />
<br />
「おかしなことを言う。危険でない瞬間など、この世にあろうはずもない。幼き者でも、そのくらいの理は知っておろうよ」<br />
<br />
「……では、清太が命をとられてもよいのかと、この者は申しております」<br />
<br />
「そうは言っておらん。命を失う時はどんな手を尽くしても失う。失わぬ時は、どんな危険の中を歩もうと失わぬ。ただそれだけのことじゃ。……守衛、付いて来い」<br />
<br />
言い終わると御影は表情を変え、突然どうしたのか、フワリと飛ぶような勢いで走り出しました。その後を、守衛がシャロウを引きずるように走っていきます。自分よりずっと大きなシャロウを引っ張って走るのは、守衛といえども大変そうです。徐々に御影との距離が広がっていきます。<br />
<br />
そして、御影の長い髪が木立で見えなくなった途端、守衛はシャロウの腕から手を離しました。<br />
<br />
「ここを動くな」<br />
<br />
そう言い置いて、守衛はあっという間にシャロウの前から消えてしまいました。木の葉がハラリと一枚落ちてきます。きっと木の上を飛ぶように移動していったのでしょう。<br />
<br />
動くなと言われて、大人しく待っているようなシャロウではありません。しばらく耳をすませ、音を頼りに守衛の進んでいった方向へと走り出しました。<br />
<br />
白い霧が、木立の間を縫うように這ってやってきます。しばらくすると、何もかもが白くぼんやりとしか見えなくなりました。白く沈む山の中に、時折、なにか不思議な音が響いています。<br />
<br />
シャロウは息を潜めて、慎重に進んでいきました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-05T00:18:49+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
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  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=805248">
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    <title>グリモン 火昇島編　72</title>
    <description>前のめりになって倒れる清太の前を、何かが勢いよく転がっていきました。

それは空を飛ぶ船の壁にあたり、清太が倒れたところまで跳ね返って戻ってきました。そして、パカッ――とふたが開いたのです。

その瞬間、清太の目の前にはお姫様の格好をした女の人が立ってい...</description>
<content:encoded><![CDATA[
前のめりになって倒れる清太の前を、何かが勢いよく転がっていきました。<br />
<br />
それは空を飛ぶ船の壁にあたり、清太が倒れたところまで跳ね返って戻ってきました。そして、パカッ――とふたが開いたのです。<br />
<br />
その瞬間、清太の目の前にはお姫様の格好をした女の人が立っていました。そうです。あの姫様モンスターです。<br />
<br />
「わたくしを解放してくれたのは誰かしら。お礼にギュッと抱きしめてあげる」<br />
<br />
姫様モンスターは周囲を見回し、シャロウを見つけて眉をひそめ、気取った魔法使いを見つけてギョッと目を見開き、そして、自分の足元で倒れたままポカンと口を開けている清太を見つけて、まさか……という顔をしました。<br />
<br />
「まさか、あなたが封印を解いたの？」<br />
<br />
きらきら光る宝石をつけたきれいなお姫様に突然尋ねられて、清太はわけも分からず首を横に振りました。シャロウと気取った魔法使いの顔色から、自分が何かとんでもないことをしでかしてしまったと思ったのです。<br />
<br />
シャロウは信じられないという顔で歩いてくると、落ちている小さな箱を拾い上げました。エバーエバーの塗られた箱です。あんな風に転がったくらいで開くようなものではないのです。<br />
<br />
「お前、いったい何をしたんだ？」<br />
「ご、ごめん。ぼく、前をよく見てなかったから」<br />
<br />
今にも涙をこぼしそうになっている清太を、姫様モンスターの手がそっと起こしました。そうして優しく抱き寄せると、キッとシャロウを睨み付けたのです。<br />
<br />
「こんな小さな子に、なんてひどい態度！」<br />
<br />
そして清太に向かって、かわいそうに、気にしなくていいのよと姫様モンスターは優しく言いました。何はともあれ、清太が封印を解いてくれたのですから嬉しいのです。<br />
<br />
シャロウは困ってしまいました。姫様モンスターをもう一回封印しようにも、エバーエバーを自分の国に置いてきてしまったのです。まさか封印が解かれるなんて考えてもいなかったのですから仕方がありません。<br />
<br />
姫様モンスターはルンルンの足取りで、空を飛ぶ船から降りていってしまいました。もちろん、清太と手を取り合って。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-03T22:19:33+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
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    <title>グリモン 火昇島編　71</title>
    <description>「どうも忘れているようなので思い出させてさしあげますけど、あなたがこの島に戻ってきたのは、この島の鬼というモンスターを残らず封印するためなんですよ！」

気取った魔法使いが声高に叫んだ途端、バサリという音が後ろから聞こえました。シャロウが振り返ると、真...</description>
<content:encoded><![CDATA[
「どうも忘れているようなので思い出させてさしあげますけど、あなたがこの島に戻ってきたのは、この島の鬼というモンスターを残らず封印するためなんですよ！」<br />
<br />
気取った魔法使いが声高に叫んだ途端、バサリという音が後ろから聞こえました。シャロウが振り返ると、真っ青な顔で立ち尽くす清太がいます。足元には、あの本がありました。<br />
<br />
シャロウは清太の傍に行き、足元に落ちていた本を拾い上げました。召喚ドラゴンのすべて。ところどころ装丁が剥がれかけ、直した跡があります。シャロウとレイが、子どもの頃に夢中になって読んだ本です。<br />
<br />
「どうした、また読めない文字があったのか」<br />
「シャロウさん……」<br />
<br />
清太はシャロウから目をそらしました。今の話は本当なのか、聞きたいような、聞きたくないような、そんな感情がすべて顔に出てしまっています。<br />
<br />
その瞬間、シャロウは胸の奥から冷たい水が噴き出してくるような、身体の芯が冷たく凍えていくような気がしました。<br />
<br />
急に、この島に来る前のこと、自分の国での扱いを思い出したのです。みんなから嫌われて、疎まれていたことを……。<br />
<br />
そうして、心地よい夢から叩き起こされた人のように、シャロウは自分でもどうしようもないくらい苛立ちました。<br />
<br />
「おいおい、なんだよ。俺のことを信用していたのか？　外からやってきた得体の知れない魔術師を？」<br />
<br />
シャロウは清太に本を押し付けます。それはとても乱暴で、あまりに力いっぱい押し付けたせいで、清太は何歩か後ろに下がらなければならないくらいでした。<br />
<br />
「いいか、教えてやるよ。俺がその本をくれてやったのは、お前たちに取り入るためだ。それでもって、この島のものを奪って、俺の国で売りさばくためだ。俺が無償で何かをするわけがないだろ。分かったならとっとと帰れ！　帰ってみんなに教えてやれ！」<br />
<br />
どうしてなのか、みんなに、と言った瞬間に御影の顔が頭に浮かび、シャロウは胸がズキンと痛みました。その痛みを誰にも悟られまいと、シャロウはますます怒鳴るのです。<br />
<br />
清太は唇をかみ締めて、泣くまいと我慢しているようでした。けれど、シャロウに再び「帰れ！」と怒鳴られ、くるりと向きを変えました。涙をこぼすまいと、上を向いていたのかもしれません。走る清太の足が、何かに躓きました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-02T23:46:49+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
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    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=803474</link>
    <title>まとめページ</title>
    <description>グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の70話までです。グリモンのまとめページへは→こちら。フレームいやんな方は→こちらで。よろしかったらどうぞー。

今回の更新分のお話で、とうとう守衛が面の下の素顔をシャロウに見せました。でも守衛は特に顔を隠して...</description>
<content:encoded><![CDATA[
グリモンのまとめページを更新しました。火昇島編の70話までです。グリモンのまとめページへは→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/green_menu.html" target="_top">こちら</a>。フレームいやんな方は→<a href="http://oo-saji.merocoro.com/green/menu2.html" target="_top">こちら</a>で。よろしかったらどうぞー。<br />
<br />
今回の更新分のお話で、とうとう守衛が面の下の素顔をシャロウに見せました。でも守衛は特に顔を隠しているというわけではないのです。ただ、面をつけないと結界が見えないからつけているだけで。<br />
<br />
守衛の顔立ちは、そのうちどこかで出そうと思っています。そんなに先ではないと思います。えへ。<br />
<br />
今の目下の悩みは、気取った魔法使いさんの名前をいつ出すかということです。実は気取った魔法使いさんの名前の候補がふたつあって、まだ迷っているから出すに出せないのですけど、そろそろ出してあげないとかわいそう。ううー迷うなぁ。<br />
<br />
<br />
拍手ありがとうございます。とっても励みになってます！<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>更新情報</dc:subject>
    <dc:date>2008-12-01T22:10:16+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
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    <title>グリモン 火昇島編　70</title>
    <description>さて、そんなわけで、山の中にいる間、シャロウは一言も喋ることができません。それで、御影になにかを訊かれた時には、文字を書いてそれを守衛に読んでもらうことにしました。

ところが、そこに大問題が隠れていたのです。

「これはなんだ」

シャロウの書いた文...</description>
<content:encoded><![CDATA[
さて、そんなわけで、山の中にいる間、シャロウは一言も喋ることができません。それで、御影になにかを訊かれた時には、文字を書いてそれを守衛に読んでもらうことにしました。<br />
<br />
ところが、そこに大問題が隠れていたのです。<br />
<br />
「これはなんだ」<br />
<br />
シャロウの書いた文字を見て、守衛は怪訝そうに首を傾げました。シャロウの書いた文字が読めなかったのです。話す言葉は魔法の力で島の言葉にしましたが、文字まではそうしなかったのです。<br />
<br />
それはどうしてか。理由は簡単なことです。<br />
<br />
文字まで島の言葉にしてしまうと、簡単な魔法陣さえ描くことができなくなります。それでは、いくらシャロウが魔術師でも困るのです。魔術にも簡単な魔法陣を使うからです。<br />
<br />
「なんじゃ、これが文字か。まるで模様のようじゃの」<br />
<br />
御影は守衛の受け取った文字を横から覗き込み、そう言いました。たったそれだけのことでしたが、シャロウは重大なしくじりをしたように思えました。ズシリと胸が重たくなるほどに感じたのです。<br />
<br />
そこで色々と考えた末、シャロウは清太に文字を教えてもらうことにしました。<br />
<br />
清太は、シャロウが島の言葉を自由に話すことができるのに、簡単な文字すら書けないことを不思議がっていました。けれど理由を聞くと、熱心に教えてくれました。その代わりにシャロウは清太に『召喚ドラゴンのすべて』をいう本を読んでやりました。<br />
<br />
そのおかげで、シャロウは島で言うひらがなという文字が書けるようになりました。<br />
<br />
昼間は山の中で過ごし、夜は清太に文字を教えてもらう日々。そんなシャロウの生活を喜んでいない者が、ひとりだけいました。もちろん、あの気取った魔法使いです。<br />
<br />
気取った魔法使いは、なんとかあの山に侵入しようと考えました。<br />
<br />
けれども、シャロウの後をついていけば、どこからともなく面をつけた男たちに囲まれて引き戻され、空から行けばやつらも手出しはできないだろうと魔法の力で空を飛べば、どこからともなく小さなドラゴンが飛んできて、気取った魔法使いを通さないのです。<br />
<br />
「それだけじゃないのですよ。あいつはこの服を引き裂いたんです。上等なレースが台無しですよ！」<br />
<br />
気取った魔法使いは、夜遅くにようやく空を飛ぶ船に戻ってきたシャロウをつかまえて、ちぎれた洋服を見せました。<br />
<br />
山に侵入しようとした時に、どこからともなく飛んできたドラゴンが、器用にもその服についているレースに牙を引っ掛けて、気取った魔法使いを浜まで運んだのでした。その時に破れたのです。<br />
<br />
「そうか。食いちぎられなくてよかったじゃないか」<br />
<br />
シャロウはろくに洋服も見ず、声には眠そうなあくびもまじっていました。当然、気取った魔法使いはカンカンに怒りました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-11-28T23:14:54+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://daydream.merocoro.com/?eid=799247">
    <link>http://daydream.merocoro.com/?eid=799247</link>
    <title>グリモン 火昇島編　69</title>
    <description>「お前に言っておく」

守衛は面のない顔をシャロウに向けると、きっぱりとした口調で言いました。

「あの山を穢すようなことがあれば、必ずお前の息の根を止めてやる。お前がどこへ行こうと、だ。だからこの顔を覚えておけ」

静かな声でした。決して怒鳴るような...</description>
<content:encoded><![CDATA[
「お前に言っておく」<br />
<br />
守衛は面のない顔をシャロウに向けると、きっぱりとした口調で言いました。<br />
<br />
「あの山を穢すようなことがあれば、必ずお前の息の根を止めてやる。お前がどこへ行こうと、だ。だからこの顔を覚えておけ」<br />
<br />
静かな声でした。決して怒鳴るような大きな声ではありません。けれども、喉元にヒヤリとしたナイフを当てられたように、その声は独特の冷たさを持ってシャロウの耳朶を叩きました。<br />
<br />
言い終わってからも、守衛はシャロウから視線を外しません。面の向こうに見えていた瞳は、今やむき出しでシャロウを睨み付けてきます。<br />
<br />
その瞳に臆することなく、シャロウは面を外した守衛をしげしげと見下ろして言いました。<br />
<br />
「お前……清太と同じくらいか？」<br />
「何を――」<br />
<br />
最初、守衛は何を尋ねられたのか分からないようでした。けれどすぐに気付いて、不愉快そうに眉と眉の間にしわを刻みました。シャロウは、清太と守衛を同じくらいの年頃と判断したのです。<br />
<br />
「そういうお前の年齢は」<br />
<br />
守衛に訊かれて、シャロウは自分の年齢を答えました。すると、守衛は「それより上だ」とそっけなく答え、元のように面をつけました。今度はシャロウがしばらくの間、何を言われたのか分かりません。<br />
<br />
クルリと守衛に背を向けられてようやく、シャロウはどういう意味なのか分かったのです。<br />
<br />
「ちょっと待て。……え、お前、俺より年上なのか？」<br />
「うるさい」<br />
<br />
「嘘だろ。おいちょっと、もう一回、もう一回、それを外して見せろ」<br />
「いやだ」<br />
<br />
スタスタと歩いていく守衛の後を、シャロウは追いました。追いながらその面を取ってやろうと手を伸ばすのですが、守衛はその手をスルリとかわしてしまいます。<br />
<br />
もう一回見せろ。<br />
いやだ。<br />
<br />
シャロウと守衛の声は、ふたりの通った道々に落ちていきます。あまりにも驚いたせいなのか、シャロウはひととき、胸のチリチリした感覚を忘れていられました。<br />
　
]]></content:encoded>
    <dc:subject>グリモン 火昇島編</dc:subject>
    <dc:date>2008-11-27T23:46:19+09:00</dc:date>
    <dc:creator>大越サジ</dc:creator>
    <dc:rights>大越サジ</dc:rights>
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